お正月も過ぎてしまえばあっという間でしたね。
銀座 松屋デパート 8階で開催中の 日本刺繍展を見て来ました。
この方の作品に出会ったのは数年前 他のデパートで偶然見たのが始まりでした。
絵付けをする時に色んなものから刺激を受けるように心がけているのですが、特に着物の意匠 色使いは とっても興味があります。
絵画や洋服の世界と異なる 例えば地模様の上に全く異なる柄が刺繍されたり、洋服だったらこんな色合わせの着方はしないかな~と思うような組み合わせが、とっても素敵だったり
古くから伝わる日本独自の文様も 磁器にも使われているものが多くあり、独特の日本の文化 芸術の素晴らしさ 最近日本では着物を着ることが少なくなっていますが、この技術は着物だけでなくても 最初から絵のように壁掛けで使うものとか ランチョンマットとか まだまだこの技術を生かす使い方はあるので 大いに生かされて欲しいと思っています。
先日山本寛斎さんが 新宿 伊勢丹デパートで 歌舞伎の衣装など 昔の着物を彼流に演出した展示を見、トークショーも聞いたばかりだったので、着物 柄 は 今、私にとっても気になるもの第1位になっています。
話が遠回りしましたが、草乃さんの今回の展示会もそれはそれは素晴らしいものでした。
お父様の着物に刺繍をしてリメイクしたもの 着物って実はとっても合理的なもので、着物を帯に作り替えたり、昔はお布団に作り替えたり、何度もリメイクして使える布なのです。
洋服の世界はどんどん進化して立体裁断になり、今や機械で裁断されるようになり、大量生産されるなか、着物はずっと布幅も変わらず、作りも変わらずに来ていますよね。
同じ形の中で違いを出すのは 色 と 柄のデザインだけ そんな限られた縛りの中で こんなに表現できるものなのだと、感動でいつまでもあの空間に浸って居たい程でした。
刺す技術 手の美しさも一品ですが、デザインが一部の狂いもないのです。どこからこの方はデザインのイメージを作りだすのだろうと思います。会場内の映像では文学が好きで、好きな本の中に自分の身をおいて、話の情景を思い浮かべて刺繍にするとおっしゃっていましたが、すごい方です。
見ていると全部欲しくなってきます。
会場の外に、彼女がデザインし工房で作られたというバックや帯 小さな額装したもの等も少し販売されていましたが、会場の作品が素晴らしすぎるせいか、なんだか物足りなく感じました。
20日まで開催されています。一見の価値ありです。詳しい情報は下記をご覧ください
http://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input%5Bid%5D=81688