先日 岸 恵子さんが書いた小説 わりなき恋 を岸さん自ら朗読なさる朗読劇を見てきました。
友人に借りてこの小説は読んでいました。 簡単に言うとシニア世代の男女の不倫を熱く描いたものです。
正直どんなにそれを知的な言葉で表現されていても、私には心に響くものはなく、私の中での岸 恵子像がちょっと崩れかけたのですが。。。
なのに、何故なのですが、
岸 恵子と言えば 君の名は と頭に浮かぶ年代なので、間近で拝見したいという気持ちがありました。
実は20代の頃一度だけ岸さんに遭遇したことがありました。パリの多分その頃岸さんが住んでいた家の側にある小さなお店で、お母様と思しき方とお買い物をなさっていました。
君の名は の頃 私はまだ子供でしたが、ぼんやりとした記憶の中に映画館で白黒の映像を見た記憶があります。
その頃子守をしてくれていたお姉さんが映画が好きな人だったらしいので、子守を口実に私を連れて映画館に行っていたのかもしれません。
勿論細かい内容を理解したのは随分後になってからですが、子供心にもとびっきり美しい人という印象だけは焼き付きました。相手役の佐田啓二さんもハンサムでした。
八千草薫さんや若尾文子さんのような日本的美人の女優さんが多い中で、岸さんは眼も鼻も唇もハリウッド女優のような各パーツがきりっとして個性的な美人で、当時から華やかな雰囲気を持っていたように思います。
トップ女優でもあったのに、突然フランスの映画監督と国際結婚し、当時は海外旅行すら珍しい時代に、いとも簡単にパリに行ってしまったという印象を持ったものです。
そして今尚、舞台に立ち、小説を書き、本当に只者ではない女性です。
大方はベンチに腰かけて朗読なさいましたが、5回くらい衣装替えがあり、その時の歩き方が早い 時には小走りです。
洋服は意外にカジュアルな普通な感じでしたが、靴が4cm位のヒールを履いていらっしゃいました。
え~今おいくつなのかしら?
幕間に思わず年齢をググってしまいました。
83歳 驚きです。
どこから拝見しても魅力的な女 現役そのものだったからです。
どんなに昔美人だった方でも、どこかに歳が感じられるのが普通ですが、いくら人から見られるお仕事とはいえ、姿勢も 歩き方も 声の張りも 年齢を感じさせません。
日本の女性は結婚すると女であるより母になる傾向が強く、時には夫にとっても母役になりがちですが、フランスの女性は妻になっても夫にとって魅力的な女性であり続けようと努力しているように
感じます。
パリでは参考にしたいと思うお洒落なシニア女性を良く見かけます。フランスと日本を行き来しての生活をなさっている方なので、そこも違う一因かもしれませんが。
日本でも最近はシニア世代でもお洒落を楽しむ方が増えては来たように思いますが、お店に行ってもまだまだ若い人向けの服が多く、シニア向けになると着て楽な服のようなイメージが強くて、こんな処もまだまだなのかしらと思ったりします。
マイクが時々声を拾わなかったり、読みがしどろもどろだったりということもありましたが、なんかこういうおおざっぱな感じも岸さんらしいと勝手に思いました。
最後にトークショーもあり、今後も小説を書く予定とおっしゃっていました。
この先どんな歳の重ね方をなさるのか、やはりとっても気になる素敵な方でした。
全国でこの劇はなされているようです。もしチャンスがあったらご覧になってみてはいかがでしょうか?
今後の開催チケット情報は下記サイトをご覧ください
http://eplus.jp/sys/T1U14P002147739P0050001