2014年2月18日火曜日

サントリー美術館 伊万里展

ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器 というタイトルが付いた伊万里展を見てきました。


この日も二度目の大雪が東京に降り、六本木のミッドタウンもガラガラでした。

今回はラッキーにも友人の紹介で学芸員による解説を聞くことが出来ました。

過去に行ったドイツのドレスデンの宮殿などに、伊万里が沢山あり、ヨーロッパで日本の磁器が宝物のように扱われていたのは、とっても嬉しかったことを思い出しました。

佐賀の有田で17世紀 1610年代作られていた伊万里焼きの磁器は40~50年後に伊万里の港から全国に流通していたが、同時に長崎から輸出されるようにもなっていきました。

オランダの東インド会社が1602年に設立し、最初は中国から景徳鎮の青花磁器などを輸入していました。17世紀中頃 明から清に変わる頃中国は内乱が続き、景徳鎮の生産が激減します。

また海禁政策などで海外貿易が出来なくなりました。

東インド会社は困り、1610年~1659年代に有田で作られた伊万里を購入することになりました。約1757年まで磁器の輸出は続きました。

最初はそのために中国で作られていた文様の写しを製作していました。

染付芙蓉手花盆文皿が大人気だったそうです。

形はビールジョッキや髭皿 宮殿に飾る大きな壺などが好まれ、ヨーロッパにて磁器に更に金属の装飾が付けられました。

徐々に図柄は日本独特の物に変化して、柿右衛門様式にみられる上絵で赤 青 緑 黄で絵付けされ、染付のしないもの 金の装飾も少ないものになり 花鳥 東洋人をモチーフにした日本オリジナルが、日本独特の「にごしで」と言われる美しい白い生地を生かしたものになっていきました。

ヨーロッパでは大人気となり、後にマイセンが模倣し始めます。

このように中国の模倣柄のオーダーから日本の柄となり、それがオランダのデルフト焼きやマイセンに大きな影響を与えていったのです。

やがて柿右衛門焼きも世代交代や鍋島焼きに職人が奪われるなどで消滅します。

また、ヨーロッパでは王侯貴族が金襴手様式を好み、染付・ 赤 黄 緑 黒を使った上絵・金もふんだんに使い、90cm以上の大きな器が望まれました。 

日本の伊万里はこのようにして大人気となっていきました。

磁器と漆の蒔絵を組み合わせたものなども作られました。この作品はドレスデンのアウグスト強王のコレクションにも含まれています。

花瓶 壺には花柄が多く、又、遊女を描いた美人文様も日本の伊万里の特徴の一つでした。

貴族・王族の紋章 やギリシャ神話の注文もあり、当時ギリシャ神話を知る職人はいなかったので、微妙な絵になっていました。

イギリスのバーリーハウスやベルリンのシャルロッテンブルグ宮殿に多く展示されています。

宮殿では左右対称に飾ることが好まれていました。

シャルロッテンブルグ城の画像は下記をご覧ください
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E5%AE%AE%E6%AE%BF&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=IP4CU7XBDoe6kQXYr4DQBg&sqi=2&ved=0CEMQsAQ&biw=1280&bih=667

1684年に中国が海禁令を解き、展海令を発し輸出を再開しました。
1709年 マイセンが磁器の製作に成功します。
1733年 磁器をこよなく愛したアウグスト候が死去。コレクターがいなくなり
17世紀後半 東インド会社はなくなります。

輸出を再開した中国は伊万里を模して製作し、チャイニーズ伊万里と呼ばれました。

中国との競争に負け、輸出時代が終焉しました。

こういう歴史の中に生きた磁器を見ることが出来ます。

3月16日まで 休館日は火曜日です。

普段見ることの出来ない人形やぎっしりと絵柄で飾られた磁器は圧巻です。

お薦めの展示です。

詳細は下記 サントリー美術館のホームページをご覧ください

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E5%AE%AE%E6%AE%BF&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=IP4CU7XBDoe6kQXYr4DQBg&sqi=2&ved=0CEMQsAQ&biw=1280&bih=667#q=%E4%BC%8A%E4%B8%87%E9%87%8C+%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8&tbm=isch



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