2012年2月20日月曜日

一般公開講座

お誘いがあって「これからの医療の話をしよう 手遅れになってしまう前に」
という講演を聞いてきました。

埼玉県済生会栗橋病院院長補佐 NPO法人医療制度研究会副理事長の 
本田 宏先生のお話です。先生は外科医をなさりながら、全国このテーマで
講演をなさっているそうです。

簡単にお話しすると、日本の医療費は先進諸外国に比べるとはるかに安く
、医療従事者も医師、看護婦をはじめ常に不足した中で、彼らの重労働で
なりたっている非常に危惧する状況であるというお話でした。

興味を持たれた方はhppt://www.iryoseido.com/をご覧下さい。twitterでも
twitter:honda_hiroshiで発信していらっしゃるそうです。

お話は沢山のジョークを交え(先生、ジョーク多すぎです!笑)で本当に外科医?ですか
というくらいお話上手でした。おかげで重いテーマを楽しく伺うことが出来ました。

私自身入院・手術の経験があり、国立病院・大学病院・民間の病院・クリニックと
色々な医療機関にお世話になってきました。

一昨年父が入院した時にとても不安を感じる体験をしました。
父は肺気腫という持病がありました。痩せて体力が落ちてある日突然意識を失い
入院しました。人口呼吸器をつけ数日後の意識が戻りました。
暫くして幸いに人工呼吸器も外せるようになりましたが、医師の説明では専門医の元で
呼吸管理をしなければ生活は無理とのことでした。
1か月ぐらいすると転院の話が出ました。
東京では沢山の病院がありなんとかなるかと思いましたが、現実はそんなに甘いものではありませんでした。
入院していた病院でも探してくださいましたし、私も知人の医師やネットなどで八方探しました。
いくつかの病院があがりましたが、いざ詳しい話になると受け入れてもらえません。
その理由が父が意識がはっきりしていることだったのです。手がかかるからです。

高齢で治る見込みがない患者を受け入れてもらえる病院がこの東京でさえ非常に少ないのです。
そして、それは看護師や医師不足のせいなのでした。

日本は長寿の国です。これは誰でもが医療を受けられるお蔭だと思います。でも、そうやって生き延びてきた果てがこういう現実なのです。
お年寄りがぽっくり寺にお参りに行くのはこういう現状に出会いたく無いため?
悲しいけれど、現実です。

確かに治る見込みのある病気の方が沢山空きベットを待っている中でベットを占領しているのは
申し訳ないかもしれませんが、家族としては複雑な想いの日々を過ごすことになりました。

年末にとても退院出来るとは思えない状態で退院することになりました。案の定、翌日には呼吸が苦しくなり救急車で再び病院に戻りました。ところが、呼吸器の医師は救急外来にはいるが、病棟には正月明けまでいなかったのです。入院しても苦しい呼吸は改善されることもなく、何故退院されたのか知りました。

初めて日本の医療の怖い部分を体験しました。

のちに介護をなさった方々から、3か月で転院の体験談を沢山伺い、このことはほんの一握りの話ではないことを実感しました。

医療現場で働いている方が一番感じていらっしゃるのでしょうが、日々の忙しさで声をあげて訴える暇さえないのでしょう。過労で職場を去る人も多いそうです。これでは悪循環です。

年金問題も少子化で支えるのが大変と言われていますが、健康を守るのも当たり前に思ってきたことが、当たり前でなくなる日が来るのかもしれません。

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